船井総合研究所、Cap Gemini Ernst & Young Consultingを経て、企業再生ファンドを運用する三洋
パシフィック投資顧問株式会社に入社。事業再建を目指した再生投資を中心に、再建計画の立案から
債権者調整、リーガル、投資実行までの責任者を務める。2005年にジョージソロス系の投資ファンド
である株式会社磐梯インベストメンツへ入社後は、投資先候補企業の発掘から投資実行後のマネジメントまでを努める。
高江洲
敏腕M&Aアドバイザーの西原さんから見た「M&Aアドバイザーの選び方」を教えてください。
西原 氏
(以下敬称略) 敏腕アドバイザーと言われると恐縮してしまいますが、私なりに考えるM&Aアドバイザー
の資質を踏まえたうえでお話させて頂きたいと思います。M&Aアドバイザーとは、「国家資格の試験のように、
あなたは80点だからアドバイザーになれます」というようなものでは、もちろんありません。ただ、定型的な
スキルがあるわけでもない一方で、会計・税務、法律や金融など幅広い知識が不可欠であるのも事実です。
ですから、各々のアドバイザザーが「どういうキャリアパスの中でアドバイザーになったのか」ということで
意外と得意分野に偏りが出るものです。そのアドバイザーのバックグラウンドで培った経験をベースとして、
それに付加されたものと、高付加価値な部分というものがあって、私個人としては三つの視点でアドバイザー
を評価しています。
高江洲
三つの視点ですか?では、始めに一つ目の視点について教えてください。
西 原
第一の視点としては、実際にM&Aのプロセスの中で使用する雛型や計数フォーマットがどのようなもの
なのかという点です。単に「概念的なM&Aの資料」ではなくて、デューデリジェンスで必要とする資料一覧から
始まり、事業価値や買収価格の算定書、契約書類などの具体的な資料です。例えば、お客様から直接「どうやって
買収価格を算定するのですか?」と質問されたら、当たり前のようにプロセスの中で必要な資料とかフォーマット
が見ることができる。『M&Aアドバイザリーの選び方』としてまず第一に重要な点は、ツールとか、フォーマット
とか、実務において必要なものというのが当たり前のように出てくるかどうかだと思います。専門的で理解しづらい
からと言って敬遠せず、まずは「どんなツールを使ってM&Aをやっていただけるのですか?」と聞いてみるのが
一番だと思います。
高江洲
M&Aアドバイザーとしてはノウハウを開示するのを嫌がるのでは?
西 原
そういう方は本当に知識があるのか少し疑ってみたくなりますね。というのも、仮に事業価値算定のレポート
の場合、エクセルや専用プログラムを利用して計算するのですが、さすがにプログラムをそのままコピーして渡すこと
はできません。でも、紙にコピーして開示するだけであれば問題ないはずです。算定プロセスには様々なプログラムが
仕組まれており、紙ベースのものを見たとしても大部分の人は理解できないはずです。契約書なども同じで、契約内容
の6割ぐらいは準用できますが、残りの4割は案件によって異なります。しっかりとした資料を作成することはアドバイザー
の大前提ですので、遠慮なく尋ねてみてください。
高江洲
余談ですが、依頼者としては費用面での不安も大きいのですが、どの段階で尋ねるのがいいのですか?
西 原
どんなメーカーでもカタログがあって、寿司屋やレストランに行けばメニューがあるわけです。有名高級店は別として、
そうでなく偶然入った店が、値段も書いてなければメニューもなく、「うちはおまかせだけです」と言われたら、二の足を踏み
ますよね。もちろん、相談内容によりますが、なるべく早い段階で尋ねるべきだと思います。経験豊富なアドバイザーであれば
おおよその費用は見積もることができるはずですし、私の場合は少なくとも3度目の打ち合わせまでには予算についてお伝えする
ように心掛けています。
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